まぶたのたるみや眼瞼下垂(がんけんかすい)に悩んでいる場合、その治療は形成外科が専門的に対応しています。眼瞼下垂とは、まぶたを引き上げる筋肉の力が弱まったり、腱がゆるんだりすることで、上まぶたが十分に開かず、視界が狭くなってしまう状態です。単なる加齢による「たるみ」とは異なり、重度になると視力に影響したり、日常生活にも支障をきたすことがあります。こうした症状は、形成外科での診察と治療によって大きく改善できる可能性があります。
眼瞼下垂には先天性と後天性があり、後天性では加齢やコンタクトレンズの長期使用、目の手術後などが原因になることが多いです。まぶたが下がってくると、見えにくさをカバーしようとして無意識に額の筋肉を使うようになるため、慢性的な額の疲れや頭痛、肩こりの原因になることもあります。見た目の印象としても、眠そうに見える、目が小さくなったなど、外見への影響を気にする人も少なくありません。
形成外科では、まぶたの構造や筋肉の状態をしっかり診断したうえで、適切な手術方法が選ばれます。代表的な治療法には、まぶたを持ち上げる筋肉を短くして引き上げる「挙筋短縮術」や、重度の場合には他の筋肉を利用してまぶたを開ける「筋膜移植術」などがあります。手術は局所麻酔で行われることが多く、数十分から1時間程度で終わるケースが一般的です。傷跡もまぶたのしわに沿って目立たないように配慮されるため、見た目にも自然に仕上がります。
また、症状によっては健康保険が適用される場合もあります。単なる美容目的ではなく、視野障害や生活への支障があると診断されれば、保険診療として手術が可能です。逆に、見た目の改善のみを目的とする場合は、美容外科的な扱いとなり、自費診療になります。この判断は医師の診察によって行われるため、まずは形成外科での受診・相談が第一歩となります。
まぶたのたるみや眼瞼下垂は、「年のせいだから仕方ない」とあきらめがちですが、形成外科での治療によって見え方も表情も大きく改善する可能性があります。見た目の若返りだけでなく、目の疲れや肩こりなどの体の不調まで軽減されることもあり、日常生活の快適さがぐっと向上するでしょう。悩んでいる方は、一度専門医に相談してみることをおすすめします。