台風前に間に合う屋根修理は「飛散防止→浸水ルート遮断→排水確保」の順で優先順位を組むと効率がいい。屋根修理 草加市での緊急対応でもまず飛散防止の最上位は棟板金だ。強風は棟やケラバで負圧が大きく、釘浮きや継ぎ目の開きを起点に板金が一気に飛ぶ。時間が限られる場合は“ばらし”より仮復旧を優先し、既存の釘穴を避けてステン防水ビスへ打ち替え、ピッチは100〜150mm程度に詰める。継ぎ目と端部はブチル系防水テープで一次止水し、重ね方向は必ず上から下へ。貫板が腐朽して効かない場合は板金を一時的に押さえるL金具や短尺の新規貫を“効く位置”だけ補強に入れ、飛散を止めることを最優先にする(本格交換は台風後に回す)。次に浸水ルートの遮断。雨仕舞いは一次(屋根材)と二次(ルーフィング)の二層で考え、短期決戦では“二次”を増やすのが現実的だ。壁際・笠木・天窓・煙突など取り合い部は立ち上がり不足やシール破断で逆流しやすいため、捨てルーフィング(改質アスファルトシート)を差し込み、上端は金物下へ潜らせ、端末はブチルで押さえて水を“上から下へ”流す筋を復活させる。谷板金はごみ詰まりとピンホールが致命点になるため徹底清掃し、穴はテープ+薄板の重ねで流れを阻害しない最小面積の二重化を施す。スレートの割れや金属の小孔は面で塞がず水の流れに沿わせたライン状の補修にとどめ、塞ぎすぎて水が横に回らないよう注意する。端部のめくれやケラバの風返し欠損も先に直す。ルーフィング露出が見える場合は見切り金物の下へ捨てルーフィングを差し込んで“二重化”し、端末は水下側に逃がす。排水確保は台風直前でも効果が大きく、樋や谷の落葉・砂を掃除し集水器入口を開放するだけでオーバーフローによる軒天・破風の被害を減らせる。勾配不良の樋は短時間に直せないが、最下点の詰まりを抜き外れた受金具を仮固定するミニマム対応でも流路は復活する。屋根裏の点検口から野地板の黒ずみや釘錆筋があれば外側の対応箇所を逆算して優先順位に反映する。緊急資材はステン防水ビス、ブチル防水テープ、改質アスファルトルーフィング短尺、L金具、小型金切りばさみ、コーキング(端末処理用)、清掃用具の6点が即戦力。ブルーシートは“最終手段”で、必ず水上から水下へ流れに沿わせ、桟木やベルトで面で押さえる。フチだけを養生テープで貼ると風をはらんで破損・飛散する。危険作業の回避もコストに直結し、濡れ面・強風下の登屋、急勾配での単独作業、タッカーや細ビスでの板金固定、シーリング多用による水返しの殺しは禁物。どうしても屋上作業が必要な場合はハーネス・フック・ロープで墜落制止を確保し、作業は風の弱い時間帯に限定する。段取りの基本は48〜24時間前に“地上作業で効果が大きいもの”(樋・谷清掃、材料準備、屋根裏点検)を片付け、24〜12時間前に“飛散防止の仮復旧”(棟のビス化と継ぎ目処理、端部補強)、12〜6時間前に“取り合いの二次防水強化”(差し込みルーフィングと端末処理)、降雨が始まったら屋外作業を打ち切って室内側の養生と漏水監視に切り替える。優先判断に迷ったら「風で飛ぶもの(棟・端部)→水が集まるところ(谷・取り合い)→水が溜まるところ(樋・停滞部)」の順に当たると外れにくい。台風後は仮復旧を早めに本修理へ切り替え、棟は貫板を樹脂や防腐材へ更新しステン防水ビス規定ピッチで本締め、取り合いは捨て水切り新設と立上がりのルーフィング差し替え、谷は板厚と材質を見直した全交換、スレートは塗膜劣化が進んでいれば再塗装か金属カバー、金属屋根はビス再設計と端部の止水テープ併用で耐風性を底上げする。台風前の限られた時間でも、棟板金の飛散防止、取り合い・谷の二次防水強化、排水路の復旧という“要の三点”を的確に押さえれば被害の確率と規模は大きく下げられる。